駐車場で拾った大量の一万札をネコババしかけた話

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会社に内緒でアルバイト

20歳くらいの頃、お給料が少なくていつも貧乏な生活をしていました。

そのため時々、バイトに行っていました。べつに怪しいバイトではありません。

友人の代わりにする仕事です。

誰もいないガラガラの駐車場

そんなある日、いつものように午前中にバイトをして、午後から出勤しました。

車だったので会社の指定駐車場に車を止めるつもりでした。

しかしその日は、会社近くの駐車場はどこも満車で全く空きがありませんでした。

仕方なく、遠くのほとんど誰も車を止めていないガラガラの駐車場に車を止めました。

拾い物の一万円札

舞う一万円札

車を止めて、車から降りようとした時、その事件は始まりました。

右足を地面に置いた瞬間に目の前に不思議な光景が見えました。

なんと私は靴で1万円札を踏んでいたのです。とても嬉しくなりました。

ラッキーだなと思いすぐに拾いました。

ふと、横を見るとまた、1万円札が見えました。

それも飛びついて拾いました。

これで最後だろうと思っていたら、また目の前に1万円札が見えたのです。

拾うたびに目の前に1万円札が落ちていました。

夢のような光景です。

でも、夢ではありませんでした。

他にもあるのかなと思い周りを見渡すと驚いたことに駐車場内で風に煽られて何枚もの1万円札がひらひらと飛び回っていました。

私は必死に1万円を追いかけました。

1枚また1枚と追いかけて拾いました。

そして駐車場のフェンスの手前までやってきました。

見るとフェンスの前には1万円札が何枚も落ちていました。

1万円札が風に煽られてフェンス前に集められ様子でした。

信じられない光景でした。

ネコババしたいけど妄想がじゃまして

超貧乏な時期で会社に内緒でバイトをしていたところでしたから、この1万円札は喉から手が出るほど欲しいお金でした。

その時は結局40枚以上の1万円札を拾いました。

届けずにネコババしようと思いました。

1万円札を手に持ってキョロキョロ周りを見渡しました。

駐車場の前にはいつも見慣れた会社の10階建のビルがあって、無数の窓がこちらを向いていました。

泣きそうになりました。せっかく拾ったのに。

この窓から今私を見ている人がきっと一人くらいはいるに違いない。

妄想がはじまりました。

お金を落とした人が警察に届けて、警察が会社の人に話を聞いたら目撃者が出てきて、私が拾ったと言うかもしれない。

玄関のドアが開いて警察官が入って来て、私は刑務所に。

そう思うと、どうしてもネコババできませんでした。

このお金は貧乏な私への神様からのプレゼントだと思いたかった。

でも根が正直者ですから、ネコババできませんでした。

せっかく拾ったのに・・・泣く泣くネコババするのを諦めました。

拾ったお金を届ける

会社の総務課に拾ったお金を届けました。

係のおじさんは信じられないねえ〜という顔をしながら書類に書き込みました。

そして拾ったお金は私の手元を静かに離れて行きました。

それからしばらくはあの1万円のことが頭から離れませんでした。

持ち主が見つからなければ、拾った人のものになると思って期待しながら毎日待っていました。

しかし連絡は来ませんでした。

しばらくは待っていましたが、貧乏暇なしの生活をしているうちにすっかり忘れてしまいました。

あの1万円札はどうなったのでしょう?

あの一万円札は、総務課のおじさんがネコババしたのでしょうか。

後から考えると、総務課でなくて交番に届けていれば私の物になったかもしれませんね。

あ〜〜〜残念

ゆみこ

こんにちは、ゆみこと申します。日常の小さな発見や、心が動かされた瞬間を大切にしています。こちらでは、恋愛、風水、旅行、スピリチュアルな体験など、人生の多様な味わいを皆さんと共有することを楽しんでいます。好奇心旺盛で、新しいことに挑戦するのが好きです。オープンマインドで、さまざまな価値観や文化に触れることで、視野を広げてきたいと思っています。読者の皆様との繋がりを大切にし、共に成長し、学び、感動を分かち合えれば幸いです。日々の生活に彩りと深みを加えるような、そんなコンテンツをお届けできるよう努力してまいりますので、どうぞよろしくお願いします。

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