喉に刺さった魚の骨で苦しんで救急病院へ向かった話
目次
骨つきの魚が苦手なのに魚の煮込み料理が食べたい
私は魚好きですが、骨つきの魚は大の苦手です。
子供の頃から骨が付いた魚をほとんど食べませんでした。
子供の頃は魚の身を母親に取ってもらい、大人になってからは刺身用の魚だけを食べて生きてきました。
そんなある時、料理本を読んでいると急に魚の煮物が食べたくなりました。
本を見ているとおいしそうで作るのも簡単そうにみえました。
それでつい魚の煮込み料理もいいかなと思ってしまいました。
スーパーで魚を買い料理を始める
思いつくと行動の早い私は、早速、スーパーで15cmほどの魚を調達しました。
見た目で美味しいそうな魚を選びました。
家に帰り、本に書いてある通りに魚の煮物を作り始めました。
だし汁の中に魚を入れてしばらく煮ました。
なかなかいい感じに火が通ってきました。
魚をひっくり返そうとしてグチャグチャ
その辺りで、ふと疑問がわいてきました。
魚をひっくり返さないと反対側に味が付かないのではと。
本を読むと魚をひっくり返してはいけないとは特に書いてありませんでした。
それで、フライ返しで魚をひっくり返そうとしたのですが、皮がフライパンにくっついてなかなか剥がれません。
何度も擦って剥がしているうちに魚はボロボロになってしまいました。
煮えた身と焦げた皮が骨と一緒になってぐちゃぐちゃな状態です。
形がわかるのは頭と尻尾くらいです。
とても食べにく状態になってしまいました。
勇気を持って食べることに
それでも自分で作ったものなのでもったいなくて仕方なく食べることにしました。
最初は、注意して少しずつ身を取ってさらに舌の上で骨がないか確かめてから飲み込んでいました。
でもほとんど原型をとどめていない魚ですから、途中から骨を取るのに疲れてしまいました。
そろそろ食べ終わりにしようと思ったその瞬間、集中力が途切れて、魚の身の塊を一口飲み込んでしまいました。
喉に違和感、喉の奥に痛みが、息ができない!
喉に妙な感触が、ジワ〜〜と、何かが喉に引っかかっている・・・飲み込むべきか、吐き出すべきか。
でも吐けそうにない、吐けなくて息を吸ったらどうなるんだろう、骨が肺に入ってしまうかも。
どうしようどうしよう。かなり焦りました。
呼吸したい、空気を吸いたい。非常に息苦しい状況になりました。
数秒後、結局、我慢できなくなり、飲み込んで息を吸いました。
喉の違和感というか、喉の奥の痛みというか、変な感覚だけが残りました。
喉の奥に2cmくらいの骨が突き刺さっているのが見える、でも取る方法がわからない
洗面所の鏡では見えませんでした。
でも、昔買ったおもちゃの歯医者さん用の細長い鏡があったのを思い出し、必死になって喉の中を覗きました。
すると2cmほどの細い骨が喉の奥に刺さっているのが見えました。
取ろうとしましたが、口に手が入りません。届きそうなピンセントもありません。
家族に電話していますぐ100均からピンセットを買ってきてとお願いしました。
どうしたらいいかわかりませんでした。
その時は骨を挟む物があれば何とかなると思っていました。
唾を飲み込むたびに骨が少しずつ奥の方へ押し込まれる
待っている間に、お水を飲んだり、ご飯を食べて胃の中に押し込もうとしました。
でも取れません。
そればかりか、何かを飲み込むたびに骨が少しずつ奥に押し込まれていきました。
見えている部分が、2cmくらいあったのに、1cmほどになったのです。
超怖くなりました。まさかの状況です。
悪夢です。
耳鼻科は開いてないので救急病院へ行くことに
耳鼻科を探しましたが、夜の7時過ぎなので開いているところはありませんでした。
近くに救急病院があったことを思い出し歩いて行くことにしました。
飲み込んでから15分ほどしか経っていなかったのですが、とても長く感じました。
なるべく喉を動かさないように唾を飲まないようにして歩きました。
どうか、救急病院まで持ちますようにと祈りながら。
歯医者さんに飛び込む看護婦さんもびっくり!
途中、どうしても唾を飲み込みたくなり、飲み込み込んでしまいました。
もうダメかも、骨は全部押し込まれてしまったと思いました。
絶望感に打ちひしがれて顔をあげると目の前に見慣れた歯医者さんの看板がキラキラ輝いて見えました。
そう、そこは私の行きつけの歯科医院でした。
いつも優しくてかっこいい歯医者さんです。
私は、ここなら取って貰えると瞬間的に理解しました。
すぐに受付に行きました。
受付の方は状況を理解してくれて私は診察室に通されました。
そして、今度は看護婦さんが様子を見にきてくれました。
看護婦さんは、私の喉を覗き混んで、ひゃ〜〜とびっくりしたような声を出しました。
その声を聞いて、私の恐怖は最高に達しました。
歯医者さんで無事に骨が取れました
その後、しばらく待たされましたが、先生が診に来てくれました。
先生は喉を覗き込み消毒のようなことをしました。
そして細長い道具を使い、あっという間に骨を取ってくれました。
あんなに苦しんだのに、治療はとても簡単でした。
骨を取るのにほんの数秒しかかからなかったのでびっくりでした。
取れたものを見せてもらいました。
3cmほどある細くて柔らかい骨でした。
大変でしたねと看護婦さんから労いの言葉をいただきました。
私はありがとうございますと深々とお辞儀してお会計をして帰りました。
それ以来、骨つきの魚は食べていません。
もう2度とあんな怖い目には会いたくないからです。